夕暮れ日記

引きこもり主婦です。メンタル弱めです。やらなきゃいけないことはたくさんあるのに、何もできないまま気づけば夕暮れ。そんな日々の徒然日記。(コメント欄は開けたり閉じたりします<(_ _)>)

専業主婦。
やらなきゃいけない事は山盛り。なのに気つけば夕暮れ。
18才の長男は発達障害グレーゾーン。やり場のない思いをボチボチ綴っていきます。

ほんとにあった寒い話

あれは約10年前。

主人の母が、亡くなった夜の事。


義母は、2年のガン闘病末、64才でこの世を去った。

午前中、病院から主人の実家に戻ってきた。


北枕にして仏間に寝かせていた。

翌日は斎場での通夜、その翌日が告別式。

すみ慣れた家で過ごす最後の夜。


義父は仏間で、ひたすら親類を集め飲んでいた。


私は、下の子がまだ1才で、寝ぐずりを始めたので、義父母の寝室を借りて寝かしつけた。


季節は9月、まだまだ暑い。

エアコンをつけ、義母が使っていたベッドに娘を横たえ、背中をトントンしながら添い寝した。

なかなか寝付かず、1時間くらいそのままうとうとしながら、横になっていた。


いつしか、息子や他の孫も来て、4人で寝ていた。

エアコンは心地よく、本当に寝てしまいそうになっていた。


1時間くらいして、ちょうど12時を回った頃、不意に寒気がした。

エアコンが効きすぎたかな、と思い、手元のリモコンの温度を上げた。

26度、一向に適温にならない。

28度、まだ寒い。

30度、全然部屋が暖まらない。


急に冷え込んできたのかな。

エアコンを暖房モードに切り替えた。

32度、寒い。

35度、まだ寒い。

特に背中が氷を当てたようにブルブル震える。

布団をかぶり、娘を抱きしめ暖をとる。


それでも、寒い、まるで冷凍庫の中。


その時、ふすまがガラっと開いた。

義父が入ってきた。

部屋に入るなり「なんだ この暑さは!」

よく見ると、息子たちは額から汗がダラダラ。

暑いらしい。ぐっすり寝ていたが、明らかに寝苦しそうだ。


どうやら寒いのは、私だけらしい。

歯がカタカタ噛み合わないほど強烈な寒さだった。


義父の「暑い」の言葉で、私はようやく体を起こし、子どもたちを連れて別の部屋へ移動した。

寝室以外の部屋は残暑らしく、エアコンなしではいられないほどだった。


さっきのガチガチの震えは嘘のように消えていった。


私は、とっさに義母が自分のベッドに戻って来て寝た、と思った。

私が強烈に寒さを感じていた背中は、義母のベッドだった。


義母の体は、仏間にあったけれど、魂はいつも寝ていたベッドに戻ったんだと思った。


その晩親戚一同は、仏間で義母の亡骸と共に過ごした、というが当の義母は、

「もう いつまで飲んでるの? 私先に休みますね」

と、元気だった頃と同じように寝室に消えていったに違いない。


私はそれ以来、義父母の寝室へは入っていない。

あの尋常じゃない凍える寒さは、二度と味わいたくない。

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