疎遠になった人
もう付き合いがなくなった専門学校時代の同期。
Kちゃん。
最近夢を見る。
Kちゃんがニコニコしながら
「あの頃楽しかったね」
と話しかけてくる。
同じ夢を二回見た。
気になって、他の同期の子に聞いてみた。でもずっと連絡取り合ってないそうで、結局連絡先はわからなかった。
「元気でいると信じよう!」
Kちゃんは、今思えば発達障害か、もしくはグレーゾーンだったかもしれない。
Kちゃんは、部屋がすごく汚い。いわゆる片づけられない女。
テレビでよく見る、玄関入ったら物があふれて床が見えない状態。
整理の仕方がわからないらしく、散らかったら北海道に住んでいる母親を呼んで片づけてもらっていたそうだ。
飲みに行っても、Kちゃんは「取り分け」を異常に嫌がる。一皿全部一人で食べたいのだそうだ。
うっかりKちゃんが注文したものを取り皿によそおうものなら大変。
血相を変えて怒り出す。
「手をつけたからそれ、つつじに全部あげる。私用にもう一つ頼む!」
居酒屋はシェアする人が多いためか一皿の量が多い。結局2、3人前のサラダを一人で食べ、唐揚げかなにかも食べたので、結構な量でしかも割り勘ではなく、食べた分だけ個別会計で割高になってしまった。
それ以来飲みには行かなくなった。(コースの食事はOK)
会社帰りに待ち合わせした時、Kちゃんが決めた時間なのに行ってもたいてい来てない。
勤め先に電話すると、
「今着いたの? じゃあ、今から会社でる。」
そこからさらに15分20分と待たされる。
「どうして待ち合わせの時間に合わせて会社出ないの?」
と聞くと、
「私が先に着いたら一人で待たなきゃいけないから、ちょっとの時間でも待つのはいや」
それがきっかけでもう会わなくなったのだけど、今思えば逆算が出来なかったのかもしれない。
Kちゃんは一度も正社員として就職した事がない。
せっかく決まったバイトも1日でやめてしまう事しばしば。
一番続いたのはシフト制の「電話秘書」。
携帯のない時代、フリーランスで、事務所を構えたり人を雇うお金がない人の代わりに、電話応対をする。
マンションの一角に何台か電話を置き、女性数人が電話番。(言い方悪いけどテレクラみたいなイメージ)。契約している人は、自宅の電話をその電話秘書サービスに転送するようにしてある。仕事依頼など電話をかけた相手は、留守電ではなく、人が出るので要件を言う。すぐさま契約者にポケベルかなんかで連絡を取り、伝言を伝える。
電話秘書は、ちゃんと「はい、オフィス○○です」など社名で言ってくれるので、かけた方はちゃんとした事務所を構えていると思うらしい。
Kちゃんは、その電話秘書をしていた。
基本シフト制だけど、いつ休んでもいいし、いつ行ってもいい。伝言さえしっかり受ければ、あまり責任のない楽な仕事で、残業もないので、回りは主婦パートばかりだったという。
Kちゃんは人付き合いが苦手なので、職場のパートさんと仲良くする必要もなく、電話が鳴らなければ雑誌や本をずっと読んでいられるこのバイトがえらくお気に入りだった。
けしてバイト料はよくなかったけど、Kちゃんのお家はお金持ちなので問題なかった。銀行口座には常に100万円あって使うと母親が補填してくれるシステムだった。
確かクレジットカードも親の家族カードを持っていた。
Kちゃんは、バイト料が入ると、その日のうちに全部使っていた。
そんなKちゃんのわがまま発言や態度を見ていると、毎回モヤモヤしていた。
Kちゃんは字がとても下手で、何かを記入するとき、いつも手が震えていた。「つつじが見るから震える」と言っていたけど、口紅もいつもはみ出していたし、眉やアイラインもいつもガタガタだった。
周りの人ができて自分が出来ないと、こじつけのような言い訳をしていた。
当時は、わがままで自分勝手、そんな理由で付き合いをやめてしまったけど、「生きにくい」と感じるタイプの人だったのかもしれない。
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