一言多い人
むかーし、東京の出版社で働いていたときのこと。
当時は、まだ編プロ(編集プロダクション)だったけど(笑)
社長がカナダ好きで、カナダにしょっちゅう行ったり来たり。
そんな感じで表向きカナダ通の出版社という立ち位置に。
で、カナダの本をたくさん制作していた。(委託の制作のみ、出版は大手出版社から)
まだ少しバブルをひきずっていたので、銀行もお金かしてくれたのかな。
ついに会社初の出版物、カナダの風景にキルトをあわせたミニ写真集(ポケットサイズ)を社長の趣味で発行した。
(社長が写真撮ってる)
ほとんど社長が作った。
中身は写真しかないのでね(笑)
そして、いよいよ発売を控えた数日前のこと。
帯に問題が…。
新刊の時に本の下三分の一くらいに巻かれた印刷物のこと。宣伝文句や有名人の推薦文などが書かれ、購買意欲がそそられる大事なツール!
その帯に大変な誤植(誤字)を発見!
「『赤毛のアン』のプリンス・エドワード島…」と書くべきところ、『赤手のアン』…」となっていた。
『赤手』って、???何?
誰も気づかずになんで印刷、製本まで来た?
出来上がりの本が箱で会社に届いてから、カメラマンの一人が気づいた。
編集の人、だれも気づかず。
だって社長と社長の愛人と噂される女性しか携わってなかったから(社内に愛人が数人いました)
で、慌てて帯をはずしに行くことになった。製本所まで。
「今夜は徹夜かな」(泣)
社員総出、そして印刷所の営業さんも来た。
とにかく人手がいる。
社内は大騒ぎ。
その時、私が苦手な先輩社員(性格超悪し)がぽつり。
「これって、残業代でないんでしょ…。」
社長の目の前で…。
当然 社長はフリーズ。
そして大きな雷が(恐)
発売日は決まってるしずらせない。納品の手配も控えてるから今日中に一万冊の帯をとらなきゃいけない。
そのときに残業代のこと気にしてる先輩。
その先輩は、間違ってはないけど、今言う?
ことが終わってから、社長ではなく、すぐ上くらいの上司に言えばいいのに。
要領悪。
結局、その日中になんとか帯外し作業は終わり、深夜0時くらいに女性陣は帰った。残りは終わるまで男性陣がやった。
こんな似たような話、確か「校閲ガール」でやってたなぁ。
帯無しで販売することとなった新刊は、案の定売れるはずもなく、在庫いっぱいに。
しまいにはカナダのイベントがあった時、来場者にタダで配ってた。(笑)
もちろん、その意地悪な先輩社員はのちにクビ。
その時すでに私は会社辞めてたからよくわからないけど。
今頃どうしてるかなぁ。
余計な一言癖、治ってるかしら(笑)
↑画像探したら、メルカリで売りに出てた(-。-;)
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