夫がこの前、ネットで酒を注文し夫の父に送っていた。
「4000円の酒、父の日のプレゼントで送ったから」
私「うん」
夫の父は、父の日プレゼント、誕生日プレゼント、中元、お歳暮と世間で行われる贈り物のやりとりはほぼ欲しがる。
子どもや孫にはほとんど渡さないのに。
夫の父からもらうものといえば、正月のお年玉。小6と中2の私たちの子へそれぞれ1000円ずつ!
しかももったいぶる。
「年玉欲しいもんは、一列に並べ!」
そして孫一人ずつに手渡しする。丁寧にお礼を言わないと渡さない。
私は今年、義実家へは行かなかったけど、子どもに
「またお年玉もらうのに並ばされるようなら『いらない』と言って。その分お母さんが多めにあげるから」
と言っておいた。
その話はさておき…。
かつて大手メーカーの役員だった夫の父は、お中元&お歳暮の量がすごかった。
六畳の部屋の半分を占めるほど中元の箱が山積みだった。
クール宅急便の類も多く、冷蔵庫は高級食材でびっしり埋まっていた。
盆に帰省した時は、大きな紙袋3つくらいに「お裾分け」してもらった。(ケチんぼ義父だが、当時は義母が存命中だったので義母がくれた)
そして、義母が亡くなり、義父も退職。
退職したから、もうお中元はないなと思っていた。
仕事関係の中元なんて、退職したら来るわけない。と、思う。
それでもくるなら、よほど人望のある出来た人間だ。
夫は脳天気に「今年もお中元のお裾分けいっぱいもらえるぞ(ビール切望)」などと喜んでいた。
結果 中元は、私ら息子夫婦と弟夫婦、そして二人の嫁の実家からだけだった。(4個)
当然もらえるはずもなく手ぶらで帰って来た。予想どうり。
もちろんお歳暮も。4件のみ。
ありがちだけど、会社での肩書きで人がチヤホヤしているだけなのに勘違い。
年賀状も出しもしないのに300枚くらい来ていたけど、退職した途端激減。ほぼ血族関係とDM年賀状だけになった。(20枚くらい)
今は完全に隠居生活で、近所の昔馴染みがお情けでゴルフに誘う程度。
それに対して、私の叔父(元銀行員、義父と同い年)も義父と同じように妻に先立たれ、一人暮らしだけれど義父とは全然違う日々だ。
銀行のOB会で麻雀やゴルフ、旅行と毎日忙しい。早期退職したので、自由人になって25年くらいたつが中元、お歳暮はすごい量。商品券は私に必ずくれる。
要は、男気があって気前がよいのだ。子どもの頃はよくわからなったけど、この叔父なかなか出来た人だった。早期退職の後は、大手企業から役員へのお誘いがかなりあったらしいが、奥さんの看病で辞めているから全部断ったという。
同じ年で、同じように大きな企業で勤めていても夫の父とは全然違う。
内館牧子さんの「終わった人」を思い出した。
義父は完全に終わった人だ。
会社を退職してから再就職の誘いは一件もない。
当然だ。
私は、出産で仕事をやめ、一度終わってるから、定年退職した人の気持ちがなんとなくわかる。
誰がか言ってた。
50代からは「どうでもいい無駄な友達を作るべし」と。
退職したら友達0、にならないために50代から、遊ぶ友達を作っておいた方がいいと。
夫の父は、いい反面教師だ。
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