読了しました。
⇩ こちらの本、読了しました。
「母という呪縛
娘という牢獄」
【事件】
9年間も医学部を受験し浪人生活を送った末、医者を諦め看護師になった女性が、長年自分を支配していた母親を殺害して、バラバラにして湖畔の繁みに遺棄した事件。その裏には、教育虐待、心身虐待、複雑な家族関係などがありました。
今までもノンフィクションものを読んで来ましたが、この本は殺人事件を扱っているにも関わらず、とても読みやすいと感じました。
親と子が中立的に描かれていて、子の気持ちもわかるし、親の気持ちもわかる、本当に悲しい事件です。
後半の10章では家族の話に触れていて、その章を読み始めたとたん、私は涙が溢れて止まりませんでした。
母親と娘、たった2人だけの暮らしは、相性が合えば とてもよい関係が築けるかもしれませんが、その逆であれば最悪です。
そこへ父親なり、祖父母なり、第三者がいたならば、こういう事件は起こらなかったと私は思います。
なぜ 別居していた父親に助けを求めなかったのか。
父親のことを頼る、という選択肢がないほど母の支配の下(父親を蔑むように洗脳)に置かれていたのだと思いますが、父親にもう一歩踏み込んでもらいたかったです。
今まで読んだノンフィクション物は、裁判を傍聴した内容に沿っていたり、警察が発表した調書に基づくものであったりが多いのですが、この本は著者と加害者との書簡や面会での話が中心です。
なので、とても人間味のある内容で、当事者の心の動きは まるでその場で見ているかのような臨場感がありました。
今後も似たような事件が起こると嫌だなぁと読む前は思っていましたが、この本を読んで、様々な負のパズルが絶妙に絡み合って、それが何かのきっかけによって爆発し、明るみになったのかな、と思います。
なので、決して色んな感情を貯め込んではいけない、と思いました。
自分だけの価値観にとらわれず、誰かに相談することの意味を改めて感じました。
もし 興味をもたれて、読みたいと感じる方がおられたら、ネタバレはしない方がよいと思うので、個人の感想だけにしておきます。
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