クエン酸 前編
夕飯時、夫の携帯が鳴りました。
夫の父からです。
おそらくお盆はいつ帰るのか、という催促めいた事だと思いました。
電話を切った夫から、
「前、(夫の)実家に『酢』送ってたよね。あれ、親父がまた欲しいんだって、連絡先わかる?」
(はぁ~?)
その『酢』とは、「クエン酸」のことです。
以前夫の母が癌になった時 「癌に効くから」と、私が義実家あてに定期購入して送ってあげていた酢のことです。
何年か前も同じようなことを義父に聞かれ、販売元の住所と電話番号を教えたはずです。
教えた時だけ何回か買って止め、店の連絡先などはすぐ捨ててしまうのでしょう。
義父は痛風を患っており、クエン酸が痛風の痛みを和らげるらしく、毎日飲んでいる、と以前言っていました。
↑純度は低めですが、錠剤タイプで飲みやすいです。一回に、20粒くらい飲むと効果的(治療目的の人は一日80粒)。
3780円×3個(ほぼ3ヶ月分)を一度に配達、請求書はうちあてに送ってもらっていました。
義母の癌闘病中に、なんとか元気になってもらいたい一心で色々調べ、義母に飲んでもらいたくてたっくさん送っていたクエン酸です。
一年くらい送り続けて、きっと効果が出ているはずと思い、帰省した時 義母に
私「お義母さん、クエン酸 どうですか? 数値とか変わりましたか?」
義母「飲んでないよ。あれは、ジイジが飲みよるよ。痛風にいいみたい」
私「・・・・」
(何のために、誰のためにせっせと一年間も自腹で送っていたのでしょう(泣) )
クエン酸は転移前の癌であれば改善が見込まれるといわれている食品です。義母は転移前だったので「これ飲んでいれば大丈夫」と安心していたのですが。
まったく無意味でした。
癌の義母のためにと思って、当時少ない夫の給料からやりくりして送っていたのに、元気なじいさんが飲んでいたとは、、、。(ジジイ元気にしてどうするよ(怒) )
義父が気に入って飲んでいるのであれば、義父自ら注文すればよいのに、ずっと人に買わせてしらんぷりでした。
私は、クエン酸をただで「義父に」プレゼントするのはやめました。
ほどなくして母の癌が悪化し、いよいよ緩和治療しかない、医者もさじを投げるほどの段階になってしまいました。
(つづく)
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